2015年度から、日本麻酔科学会の定める新たな麻酔科専門医研修制度開始に伴い、2014年10月1日から専攻医募集を開始します。当センターの手術症例は重症度が高く、いわゆる「Challenging Case」を多数経験できることが特色といえます。

当院では、年間約500件以上の開心術があることから、心臓手術麻酔を集中的にトレーニングする心臓麻酔フェロー制度を設けています。

1.麻酔科専門医研修プログラム

2015年度から、日本麻酔科学会の定める新たな麻酔科専門医研修制度開始に伴い、2014年10月1日から専攻医募集を開始します。

当センターの特色としては、患者の重症度が高く、いわゆる「Challenging Case」が多いことがあげられます。

加えて、複数の診療科が共同で手術を行う症例や、定型的ではない手術も希ではありません。

困難な症例に対して指導医と共に麻酔計画を立案し、併存疾患について学ぶことで、さまざまな術式とあらゆる併存疾患に対応可能な麻酔科医に成長することができます。

麻酔科専門医研修プログラムの詳細についてはこちら

症 例

当センターの手術症例の特徴
・年間500件を超える心臓血管外科手術
・年間300件を超える胸部外科手術(分離肺換気手術)
・重篤な心疾患を有する患者に対する非心臓手術
・地域周産期母子医療センターとして緊急帝王切開に積極的に対応

ローテーションについて

1年目:手術室の麻酔業務が中心となります(3ヵ月のICUローテーションを含む)。
2年目以降:関連施設での研修が適宜含まれます。
・埼玉県立小児医療センター
・自治医医科大学附属とちぎこども医療センター
・横須賀市立うわまち病院
・北里大学北里研究所病院

当直など

日常業務に慣れた時点で、当直(院内待機)または宅直(自宅待機)に加っていただきます。
原則として、時間外の緊急手術には2人体制で対応します。急性大動脈解離、腹部大動脈瘤破裂に対する緊急人工血管置換術、ACS(急性冠症候群)に対する緊急CABG、緊急帝王切開の数が多いことが特徴で、時間外の緊急手術に対応することは、危機管理能力に優れた麻酔科医になるために、避けて通ることのできない道です。

カンファレンス

1.麻酔科/ICU/救急部 Grand Round
(PM 6:00〜 月に一度 定期開催)

毎回、以下に記す内容のカンファレンスを3部門合同で行っています。
・Mortality and Morbidity Conference
・Research Conference
・Attending Lecture:外部の医師を招聘し、幅広く新しい知見を学びます。

2.Case Conference
(月-金 AM 7:50〜)

当日の手術症例に関するディスカッションです。

3.初期臨床研修医向け勉強会
(月-金 AM 7:20〜)

初期臨床研修医向けに講義を行う過程で、自らの知識を見直します。

4.Morbidity and Mortality Conference
(月に2回開催)

麻酔に関する問題症例を検討し、今後の改善点を探ります。

リサーチ

たとえ、将来は一般臨床医としての道を歩むことを決心していたとしても、早い時期に臨床研究に関わることは有用な経験となります。麻酔科専門医試験の受験資格取得に必要な国内外の学会発表はもちろん、海外の雑誌に英文で投稿することも可能です。

Research Conference (第3月曜日 18:00〜 月に一度開催 )

・各自が臨床研究を行うためのアイディアを検討するためのカンファレンスです。
・心に芽生えたばかりの「Clinical Question」も、同僚とのディスカッションを行う ことで、すばらしい臨床研究に変貌するかもしれません。

「麻酔科医のための教育ガイドライン」に基づく教育プログラム

目標1 基本知識:総論/生理学/薬理学/麻酔管理総論/麻酔管理各論/術後管理/集中治療/救急医療/ペインクリニック
目標2 診療技術
目標3 マネジメント
目標4 医療倫理、医療安全
目標5 生涯教育

自治医科大学附属さいたま医療センター

2.心臓麻酔研修制度(心臓麻酔フェロー)

当院では年間約500件以上の開心術があることを利用して、心臓手術麻酔を集中的にトレーニングする心臓麻酔フェロー制度を設けております。アメリカでの心臓麻酔フェロー経験、日本の大学病院での教育指導、市中病院での豊富な臨床経験も積んだ責任指導者のほか、経験豊富なスタッフが指導しております。本フェロー制度は、心臓麻酔のプロを育成するための制度ですので、将来心臓麻酔を専門にすることを検討している方に是非応募していただければと思います。見学は随時受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせからご連絡ください。

心臓麻酔研修制度(心臓麻酔フェロー)の詳細についてはこちら

対象

麻酔後期研修3年目(PGY5:一般麻酔のトレーニングをほぼ終了した段階)以降でPGY8程度くらいまで。

トレーニング期間

1年間または2年間

定員

2-3名

研修プログラム

上級医の指導のもと、年間100症例以上を経験しながら、その症例を通して、on-site teachingにより、さまざまな知識、技術のフィードバックを行います。また、定期的な症例検討会のなかで、担当者が経験した問題点を発表していただくだけでなく、何気なく過ぎてしまってその場では気づきにくい臨床上の問題点も指導医がピックアップし、ディスカッションをすることで、自分の担当症例以外の経験、知識も増やすことができるようにします。限られた時間で最大限の成果を上げるために、募集の人数は制限しながら、研修期間を予め1年間あるいは2年間と限定することでプログラムを作り、期間に応じてさまざまな能力を身につけていけるようにします。

1)1年間コース

1年間で心臓麻酔(開心術)症例を100件以上経験していただき、さまざまな症例を通して、心臓麻酔に必要な知識、技術を習得していただきます。循環生理学の基本をまず押さえることを第一に、その他、他の手術麻酔ではあまり習得できない、基本的な経食道心エコーの技術知識をはじめ、止血凝固、人工心肺、低体温管理、心筋保護、心臓大血管の解剖学、中枢神経保護、特殊なモニターなどの基礎的な知識を学習していただきます。研修内容の詳細は、心臓血管麻酔専門医に必要な知識項目に準じて指導をしていきます。
終了時には、心臓血管麻酔専門医を取得していただけるような技術、知識を身につけることが目標となります。

2)2年間コース

2年間コースの特徴としては、一年間コースと同等の症例をこなしつつ、以下のことにも携わっていただきます。

  1. 症例報告、臨床研究など学術的な能力を高めること
  2. 術後管理を主体としたICUローテーション
    一定期間のICUをローテーションしていただくことで、心臓手術患者を中心に術後管理を行いながら、集中治療を学ぶことで、逆に術中管理の理解を深めていただきます。当院では、全国でも有名な当院ICU教授である讃井將満が中心となってICUを運営しており、麻酔科との交流は自在ですので、一定期間のICUローテーションを通して、術後管理も含めた総合的な周術期管理ができる医師を育成していきます。
  3. 経食道心エコー
    基本的な操作は一年コースでも身につけていただきますが、2年コースでは、物理的な原理、さまざまな定量評価、3次元エコーによる解析なども含めて、より高度な知識、技術を身につけることで、JBPOT合格と同等の能力を獲得していただきます。
  4. 小児先天心手術麻酔のローテーション
    当院では、心臓手術に関しては基本成人後天性心疾患の手術がメインになります。よって、小児先天心の手術麻酔を経験したい場合には、別施設での短期研修も可能です。
    埼玉県立小児医療センター、自治医大附属こども医療センターとの提携により、希望者には2ヵ月間のローテーションをしていただくことも可能です。
  5. コミュニケーション・スキルの向上
    術中刻々と変化していく状況から判断して、的確な術中管理ができるよう、術者、臨床工学技士とのコミュケーション能力も磨き、緊急事態への対応もスムースにできるようになっていただくこともこのコースでの狙いです。

研修終了後

研修終了時には修了書をお渡しします。研修終了後は引き続き、当院でスタッフとなって残っていただく、あるいは、関連施設でさらなる実践経験を積むことも可能です。もちろん、当院での研修実績をもとに他院で就職する場合には、必要であれば推薦状もお渡しします。自信をもって推薦できるだけの実力をつけていただけることは請け合いますが、実際に当施設での特に2年間のフェローを終了した後には、推薦状がなくても、どこに出ても恥ずかしくないだけの実力がついていることでしょう。
さらに、アメリカでの臨床、研究留学にも興味があるのであれば、そちらへの推薦をすることも可能です。あなたのポテンシャルを最大限に活かせるよう、協力させていただきます。

推薦図書

(心臓麻酔フェローに応募される方は、是非、前もって以下の本には目を通しておいてください)

  1. Cardiovascular Physiology Concepts2nd Ed.
    Richard E. Klabunde著  Lippincott Williams &Wilkins 2012
    (まもなく邦訳が発売される予定)
  2. Kaplan’s Cardiac Anesthesia6th Ed.
    Elsevier
  3. 心臓手術の麻酔 第4版 新見能成 監訳 メディカルサイエンス・インターナショナル
    (原書:A Practical Approach to Cardiac Anesthesia 5th Ed. Frederick H. Hensley 他編 Lippincott Williams &Wilkins 2012)
  4. 人工心肺 その原理と実際
    新見能成 監訳 メディカルサイエンス・インターナショナル
    (日本語訳はあまりよくないので、可能なら原書 (Cardiopulmonary Bypass Principles and Practice 3rdEd. Glenn P. Gravlee, Lippincott Williams &Wilkins 2007)で読んでほしい)
  5. A Practical Approach to Transesophageal Echocardiography3rd Ed.
    Albert C. Perrino Jr.他著, Lippincott Williams &Wilkins 2013
    (旧版は翻訳あり。できればこちらの原書を読んでほしい)