国際学会体験記 小松医師(救急科専攻医)

私は2025年3月18日から21日まで、ベルギーのブリュッセルで開催された国際救急集中治療学会(ISICEM)に出席いたしました。本学会は各国から救急・集中治療に関する専門家が集結する国際的な学術集会であり、その中で私はポスター発表を行いました。国内学会での発表経験は有するものの、国際学会での登壇は初めてでした。

発表内容を的確に伝達するためには、自身の理解度が十分でなければならず、さらに英語という言語的障壁が存在します。意図する内容を正確に表現できない状況や、質疑応答で相手の意図が聞き取れないという悔しい思いも経験しました。参加者の中には非英語圏出身の方々も多数おられましたが、彼らは流暢な英語で自身の見解を明確に提示しておりました。母国語の相違は単なる弁解に過ぎないという認識に至り、英語能力向上への強い決意を抱くに至りました。今回の経験が自分を変えるきっかけになりました。また質疑応答では国内外の地域性の違いに関する質問もあり、国際的な視野も学ぶ必要性を感じました。

私は医師としての経験年数が4年であり、一般的には他医療機関においては国際学会への参加機会が稀少な年次に位置しております。そのような状況下で発表の機会を賜ったことは極めて貴重な経験であり、成功事例と失敗事例の双方を今後の糧として活用する所存です。

学術活動の合間には文化的見聞も広めました。航空機にてパリへ到着後、高速鉄道を利用してブリュッセルへ移動しました。この行程により、パリおよびブリュッセル両都市に訪れることができました。パリでは凱旋門およびエッフェル塔を、ブリュッセルではグラン・プラスを見ることができ、その壮麗さに感銘を受けました。

ISICEMへの参加及び発表を通じて、自身の学術的意欲を向上させることができました。国内に留まらず国際的視野を持つこと、そのためには英語が不可欠な技能であること、自己の考察を明確に言語化することの重要性を認識いたしました。参加できたことに感謝しております。また、学会参加に際しては国内のみならず国外の学会における発表資料作成に関する指導も受けることができ、極めて有益な経験となりました。