インディアナ大学麻酔科で臨床研修中の淵田幹太先生より近況報告が送られてきました。

 

インディアナ大学
インディアナ大学

 

麻酔科レジデンシーのためにインディアナに来てからもう4年目になりました。
インディアナ大学のメディカルスクールがある州都のインディアナポリスは、一応全米で14番目に人口の多い都市らしいのですが、この統計は田舎でほのぼのとした雰囲気からはあまり実感が湧きません。(ちなみに13位がサンフランシスコで、20位シアトル、22位ワシントンDC、24位ボストンと続きます。)
先日、ワシントンDCで友人の結婚式があり、帰りの機内放送で「間もなくインディアナポリスです。インディアナポリスはコーン畑に囲まれていて、全米の映画館でみなさんが食べているポップコーンの8割はインディアナ産ですよ。」と機長さんが案内していました。機長さん、他に言うことがなかったのかと思いつつ、実際、人口の統計よりもトウモロコシの統計のほうが実感と一致します。ちょっとインディアナが誇らしく感じた瞬間でした。

レジデンシーも最終学年になり、プログラムの理解についても、一年前よりは深くなったように思います。ということで、誰かの役に立つと信じて、少し共有させていただきます。

 

お気に入りのLevel 1 Trauma CenterのEskenazi Hospital
Level 1 Trauma CenterのEskenazi Hospital

 

まず、米国の麻酔科レジデンシーは合計4年コースで、最初の一年は内科、外科、もしくはTransitional Yearという日本の初期研修みたいな一ヶ月ごとのスーパーローテのインターンシップを選択します。
インディアナ大学では一学年に26名のレジデントがいて、そのうち22名はインディアナ大学とは全く関係のないプログラムでインターンシップを終えてからPGY (post-graduate year) 2でプログラムに合流してきます。

 

2017年にインディアナでレジデンシーを修了された片岡先生がたまたまスタッフとして指導して下さった時
2017年にインディアナでレジデンシーを修了された片岡先生がたまたまスタッフとして指導して下さった時

 

麻酔科トレーニングの一年目から三年目は、clinical anesthesia yearを略してCA-1, CA-2, CA-3と呼ばれています。なので自分は今「CA-3のミキータ」というわけです。

レジデンシーでは一ヶ月ごとにSubspecialtyをローテートします。
インディアナ大学のプログラムでは、一年目のCA-1で実際にsubspecialtyのローテーションをすることは殆どなく、General ORというくくりで、一般外科、婦人科、耳鼻科、整形外科、泌尿器科の手術がまんべんなく当たってきます。唯一CA-1でやるsubspecialtyローテーションは、Riley Hospital for Childrenという小児病院での小児麻酔です。レジデンシーの監査機構であるACGMEの規定では、4年間のプログラムで合計2ヶ月小児麻酔を経験させることが義務付けられており、米国の大半のプログラムが2,3ヶ月の経験に限られている中、Riley Hospitalでは人手が必要なのか、毎年2ヶ月、合計6ヶ月の小児麻酔をローテートすることになります。つい最近までは、3年間のトレーニングのうち11ヶ月が小児麻酔だったという話で、ほぼPediatric anesthesia fellowshipと同等の経験を積んでいたことになります。

1年目の終わり頃になってから、産科麻酔、胸部外科、心臓麻酔、ペインクリニックなどのローテーションが当たってきます。
面白いローテーションは、これらSubspecialty rotationなわけで、これについてはまた追ってご紹介出来たらと思います。

では、また。

 

ホンジュラスの医療ボランティア
ホンジュラスの医療ボランティア